過去じゃない!今から・・・

責任者一同

上海の孫師範代からメールが届いた。

いよいよ来週末に迫った大阪で開催される第1回国際フルコンタクト大会に、中国支部から11名の道場生が応援で来日する旨。師範や千葉南支部の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしていますとの連絡だった。この11名の道場生の中には、3月の上海遠征の時にセミナーにも参加し、会食の後に新極真会への移籍を決めた他流派の先生もいる。また、一昨年同じく他流派から移籍し、今は北京道場の責任者となった女性の金先生もいる。2年で400名近くの道場生が新極真会に移籍入門した。この国際大会に中国支部からも1名選手が出場する。勿論その応援のための来日である。しかし、彼らの真の目的はもう一つある。彼らから直接話を聞いた訳ではないが、自分には分かる。彼らは中国支部が属する新極真会(総本部)を見に来るのである。本家日本を見に来るのである。緑代表に会いに来るのである。多分空手を始めて、今までで一番の衝撃と感動を覚えるに違いない。自分が19歳青帯の時に初めて全日本大会を見た時のように(笑)。

3月上海遠征から帰ってこの移籍話を緑代表に報告した時、移籍の理由を質問された。しかし、答えられなかった。たったの4日間の遠征、現地で彼らにそんな事を聞く余裕すらなかった。孫師範代にもそんな事は全く聞いていなかった。日本でも中国でも慣れてるので聞くつもりもなかった(笑)。代表に質問されたので、孫師範代に理由を聞いておくようにと一応メールした。

千葉の地に常設道場を出して17年が経った。移籍や入門で言えば色々な事があった。特に初期の頃は色々な人がやって来た。其の1、在籍している道場をやめていないのに入門しに来る人がいた。「順番が違いますよ」と優しく追い返した。其の2、今黒帯なので入門しても黒帯のまま続けられるか?と尋ねてくる人もいた。「黒帯として扱いますよ。自分に(組手で)勝ったら、黒帯のままでいいですよ」と優しく言った。入門しなかった。10年前はそう言ったが、今はおいぼれ爺さんになったので口が裂けてもそんな事は言えない(内緒)。

自分も一度は空手をやめた身である。弟啓治(師範)もやめた。二人揃って復帰することが出来たのは、今の組織と緑代表のお陰である。千葉南支部でも、また中国支部長代理としてこうした移籍入門にあたって心懸けている事がある。肝に銘じていることがある。

それは・・・

啓治が中国上海に渡る前に地元のホテルで行った上海道場責任者の就任祝いと壮行会。その祝賀会の最後に啓治が御礼の挨拶をした。その挨拶の中の緑代表が啓治に言った言葉にある。

啓治は第16回全日本大会で茶帯で初出場し4回戦まで進出し、当時あった「新人賞」を受賞した。自分と双子の選手ということもあって注目された。しかし、翌年の全日本大会を最後に引退し、諸事情で空手をやめてしまった。暗黒街に行ってしまった(笑)。反対に、兄の自分は真面目に?空手を続けて世界大会まで出場した。空手はやめたものの心の中ではきっと穴が空いたてしまった様な寂しさがあったと思う。極真空手に憧れ、子供の頃から闘魂神社で真似をして、いつの日か!と夢見て過ごした少年時代。そのDNAが大人しくしている訳がなかった。そうした中で転機が訪れた。大山総裁が亡くなり、組織が新体制となった。緑代表が福岡の支部長になったのである。その時に実は、自分が啓治の空手復帰の仲介をしたのである。緑代表と自分は世界大会の戦友だった。啓治が支部長になった緑代表の下でまた一から空手をしたい旨懇願した時の“緑代表の言葉”こそ、自分が移籍入門などにあたり肝に銘じていることそのものであった。

祝賀会での啓治の挨拶・・・

啓治が福岡で初めて緑代表に会った時の事。そして緑代表の言葉とは・・・

『今は空手をやめています。自分には極真空手しかありません。もし自分の一生の中でもう一度だけ願いが叶うなら、思いが叶うなら、緑師範の力で極真会館に復帰させて頂けないでしょうか?』

緑代表は力強く“押忍!”と言って、啓治の手を固く握りながら言葉を続けたそうである。

『奥村さん、一緒にやりましょう!心新たに一からやる。そういう気持ちがあるのなら過去じゃないんです。今からなんです!是非一緒にやりましょう!!』

そして復帰を認めるだけではなく、初代師範代に啓治を任命したのである(涙)。

自分もそう思う。何故、道場をやめたか?理由もあろう。本人にも原因があるやも知れない。しかし、過去は所詮過去である。過去ではなく、今が大事なのである。これからが!一番大事なことは、これからどうするかなのである。

 新極真会でのこれからが大事なのである!

3月の上海遠征。世界チャンピオンの陽孝と型全日本チャンピオンの欣大を連れて行った。組手と型のチャンピオンセミナーを開催した。彼らはチャンピオンセミナーに参加するために来たのではない。新極真会中国支部(の姿)を見に来たのである。その新極真会中国支部長代理(の姿)を自分の目で確かめに来たのである。

わざわざセミナーや翌日の会食まで来てくれた彼らに、道場をやめた理由など聞く必要もなかった。聞く気もなかった。今思えば、自然と緑代表が啓治にした同じことをしていた。“これからの道場生達のために新極真会で一緒に頑張りませんか。新極真会の世界大会を是非見に来て下さい。道場生達に夢を与えて下さい。”と何度も固い握手を交わした。自分は有りのままの新極真会を語っただけだった。勿論、陽孝と欣大の迫力ある真剣勝負の組手と日本一の型あってこその、日本の新極真会ここに有り!を証明したことは言うまでもない。二人の同行と移籍話は偶然ではあったが、これも何かの縁だったのだろう。二人には大阪の舞台で彼らに上海以上の雄姿を見せて貰いたい。

アスタナで7階級制覇した日本選手団。その7人の世界チャンピオンのうち陽孝を含め5人が実は他流派からの移籍者である。新極真会の世界チャンピオンになるために新極真会に来たのである。これは偶然だろうか?これこそが新極真会の最強最大たる所以のひとつでもある。敢えて言う。彼らとて新極真会に来ていなければ世界チャンピオンになっていなかったと思う。

孫師範代のメールには続きがあった。

8月の福岡県大会に中国支部から昨年に続き、多数参戦する旨。その来日の際、大会の前に千葉南支部に出稽古に行きたいとの要望があった。2年前に移籍してきた北京道場の金責任者と少年部達である。勿論、大歓迎する旨伝えた。盆休みは書道で忙しくなりそうである(笑)。

縁が縁を呼び 出会いが奇跡を呼ぶ!

新極真会中国支部に移籍入門した彼らは歩き出した。過去ではなく、今!これからどうするか?

新極真会を選んだ彼らは、新極真会の道を歩み始めた。

再会と決戦の日まで あと6日!