友に誓う!

友のお別れ会に行って来た。辛い一日だった。
でもお別れではない。友にはゆっくり天国で休んで貰いたい。友は自分に厳しい人だったから。友はいつも何かと戦っている人だったから。人は友のことを、闘将と呼んだ。だから友は天国に行っても、また戦い続けるに違いない。天国に行っても、サッカーと空手をしているに違いない。友はそういう強い男だった。
自分が思っていた通り弔辞は都並さんと緑代表だった。緑代表も弔辞の中で世界大会の勝利を誓っていた。二人の弔辞を聞きながら友との数々の思い出が走馬灯のように蘇ってきた。友と最も近づいたのは、間違いなく友が国際武道大学サッカー部の監督時代である。友に頼まれた講演では、サッカー部の愛弟子達に極真魂と自分の人生訓を伝授した。
“人生一度切り、悔いのない人生を送って欲しい!”
2度目の講演は、これから世界へ翔たかむとする若い彼らに相応しい、太平洋の大海原を望む勝浦の浜辺で稽古をした。
お別れの会の最中に今更ながらに気が付いた事があった。ずっとスクリーンからお別れの会の進行を見ていて何度も友の名前が字幕で出るから。
藤川孝幸
今までそんなこと思ったことなかったが、陽孝の孝と幸一の幸だなあ!と。いい名前だなあ!と。
昔、誰かに聞いたことがあった。
“辛いという字に一(線)を入れたら、幸せになる。だから辛くても一歩前に進むんだよ!”
“辛いという字に十を足すと幸せという字になる。だから十分辛い目にあったら幸せになるんだよ!”
両親が幸一と名付けてくれた。幸か?不幸か?・・・幸せ一番と書く。
正直、幸せなのかどうか?自分では分からない。数年前、数十年振りに会った高校の同級生達に言われた事があった。道の額縁の言葉「この道より我を生かす道なし この道を歩く!」に准えて、そんな道を歩める奥村は幸せ者だよ!って。
“そうかなあ?そうだなあ!”って応えた。
辛い一日だったけれど、友にあらためて誓いを立てた日となった。友と男と男の約束をした。
“必ず男女W優勝をしてみせる。12月に富士で報告するから。今は安らかに眠ってください。”
兄弟、ありがとう! 合掌