新極真会のKKコンビ!

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土曜日の一般部稽古の指導が終わり事務所に戻ると、山崎(分支部長)が懐かしい雑誌のコピーを持って来た。これは10年前に師範から頂いたものです。聞けば、2008年11月に道場1階で整体院を始め、新極真会に入門したのが12月。その時にその記事のコピーを入門記念に貰ったらしい。“師範の所に来て10年になりました。”と御礼方々、入門の時に自分から貰った空手ライフの記事を懐かしそうに見せてくれたのである。自分は全く覚えていなかった(内緒)。山崎のことは、それ以前から知っていたからである。自分が極真時代の後輩だったから。10年なんて気にも留めていなかったというのが本音である。

第40回全日本大会特集号の空手LIFE2008年12月号の記事だった。まだB5版だった。昨年陽孝が第50回大会で4位になった。丁度10年である。山田一仁選手が中量級の選手として初めて優勝した。その号の中で特集された『きょうだいで歩む空手道!』の記事だった。ユース1期生の島本兄弟がロシア・ワールドカップで兄弟出場を果たし俄然注目を浴び、兄弟で活躍する道場生の特集が組まれたのである。全日本大会の会場だろうか。新極真会の垂れ幕の前で審判シャツを着て啓治とふたり仲良く肩を組んでいる写真。見出しは二人で一人!”。他には兼光のぞみと秀治の姉弟。木元道場の茂木智之と浩之の兄弟、そして、今や時の人となった愛知山本道場の加藤3兄姉妹が特集された。

 

件の特集号である。

・・・新極真会きっての名コンビ、奥村幸一師範と啓治師範は双子の兄弟。・・・

「僕達は二人で一人ですから。生まれた時も手をつないで出てきたもんな」(幸一)。

「差がつくとケンカをするかもしれない。それはいけないんで、おなかの中で相談して一緒に出て来たんです」(啓治)

見出しが続く。闘魂神社。一緒に戦いたい。後悔と再起。組織のために。

読めば読むほど書かれた全ての記事の内容がはっきりと思い出される。真実は小説より奇なり!ともいう。自分の事だから当たり前と言えば当たり前である。実家近くの闘魂神社で空手の真似事をしながら“いつの日か兄弟でと入門を夢見た日々!”。兄弟で夢の全日本の舞台に立つことが出来た。啓治は第17回全日本大会を最後に空手をやめてしまった。緑代表が福岡県の支部長になって復帰することが出来た。暗黒街で彷徨っている所を緑代表に救われた。全てはっきりと思い出す。中でも一番目に留まったのが「組織のために!」だった。特集の記事はこう結ばれていた。

『・・・子供の頃から、二人で一人。そんな両師範が連絡を取り合う時、必ず言うことがあるという。

  “組織のために頑張ろうな!”

 二人で空手を続けられるのは、緑代表をはじめとした新極真会の組織があってこそ。これからの目標は、自分達を育ててくれた新極真会に恩返しをすることだ。・・・』

山崎の入門10年の御礼もさることながら、奇しくも前日の金曜日にユーチューブで高校野球界のみならずプロの世界でも数々の金字塔を打ち立てた桑田・清原のKKコンビの特集を偶然にも見たばかりだったからである。高校野球界では間違いなく史上最強と謳われたPL高校時代の、KKコンビの燦然と輝く栄光の特集だった。年で言えば自分の方が二つか三つ上である。上京して極真空手をしていたが、PL高校の二人の大活躍は脳裏にはっきりと焼き付いている。

「アナザーストリーズ(運命の分岐点)」題名の通り、当時実力日本一だった天下の池田高校を1年生のKKコンビ擁するPL高校が倒したことが、その後の二人の野球生活の運命の分岐点となったのである。

競争率から言えば、高校野球の日本一は空手の比ではあるまい。何十倍、何百倍の差があろう。その栄光の陰で二人が成した努力は半端ではなかった。空手と野球。道は違えど共通することが多く、30年近くの時を越えて、年も近い二人の特集にしばしのめり込んでしまった。1年生ながらに二人揃って名門PLのレギュラーに抜擢された。先輩達から受ける嫉妬と妨害の嵐。それでも二人の甲子園で奮闘する姿に先輩達も最後には二人を認めるようになった。PLの快進撃が自然とそうさせた。単純である。野球は実力の世界であるから。初出場で優勝する原動力となった二人の力を先輩達が認め、勝利のために小さなプライドや汚い嫉妬を捨てチームワークに徹したのである。二人の力なくして優勝はなかった。

  勝負の世界。それは実力の世界であるから!

ケンカ空手と呼ばれた時代。白帯は希望しない限り組手をさせて貰えなかった。サポーターなど見たこともなかった(笑)。白帯色帯の頃、道場で茶帯黒帯の先輩にこちらから口を利いたことなどなかった。道場に黒帯の先輩がいるだけで黙って不動立ちをしていた。ましてや師範がいようものなら・・・。今は優しい師範だから天国である(秘)。 名門PL高校の野球部の全寮生活。先輩後輩の関係。付き人制度があるような有名強豪校。三桁の部員数からレギュラーを勝ち取らなければならない。試練は想像を絶する。自分の時代も凄かったので全てが重なった。師範の前の組手はもう決闘に近かった。先輩達を追い抜き、最後は蹴落とそうとする先輩達をも応援者にした二人は凄いと思った。素質があろうが強かろうが、やめたら終わりである。全日本大会に出たかったら、先輩に勝つしかなかった。

日本一になったが故のプレッシャーや苦悩。それらを乗り越えて掴んだ栄光。久しぶりに感動するTVを見た。自分がKKコンビの特集で最も感動したのは、桑田選手の最後の最後のコメントだった。盟友清原選手に宛てたメッセージだった。

『自分とキヨ(清原)二人は特別なんです。野球から他人(ひと)よりもたくさん幸せを貰いました。だから他人よりも特に野球界に恩返しをしなくてはいけないと思います。自分は自分のやり方で恩返しをしています。色々な方法があります。だからキヨにも彼のやり方でいつか野球界に恩返しをして欲しいと思います。』

自分が10年前に雑誌のインタビューで応えた事と全く一緒だった。自分の今の原動力の源も其処にある。大山総裁との出会い。世界大会出場。道場の仲間との出会い。師範への恩。啓治も自分も一度は空手をやめた。緑代表と組織のお陰で復帰し今がある。全ては組織あってこその事である。空手がなかったら今の自分はない。全ては空手である。

組織に“使命!”を授かったのである。

“報恩感謝!”の思いが自分の闘争心を駆り立てるのである。

敢えて言う。選手達よ 勝って恩返しをせよ。

感謝の心で、恩に報いよ!

日本代表選手団に課せられた使命は永遠に日本が王座を死守することである。組織の大発展の源、それは空手母国として強い日本のリーダーシップがあってこその成せる事でもある。

“山ちゃん、新極真会入門10周年おめでとう!整体20周年おめでとう!これからも一緒に組織のために頑張ろう!”

今度、応接ミラマーレで二人でお祝いだな(笑)。