幸風とカブト虫!

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大阪から帰った日の夜、灯りを付けたまま小野幸風がソファーで横になってのんびりくつろいでいると一匹のカブト虫が飛んで来た。加曾利の山郷ではなく、遠くは九州から飛んで来たカブト虫だった(笑)。

大阪の話から世界大会の話、新極真会移籍の話まで・・・延々と話が続いた。話をしながら、第11回世界大会の翌年の総本部鏡開きで初めて会った時の事を思い出していた。第一印象は塚本から聞いていたとおりだった。

“熱い男だなあ!”と思った。

そしてもう一つ、思い出していた事があった。同じく世界大会の翌年、2016年2月に千葉で行われたU-22強化合宿の光景だった。第11回大会で男子は島本が優勝したが、女子は惜しくも準優勝に終わった。4年後の第12回大会に向けて、組織として最初に始動したのがU-22強化合宿だった。世界チャンピオンの島本をコーチに加えて、4年後を見据えて当時の22歳以下の精鋭を募った。その25名の強化指定選手の中に九州のカブト虫の愛弟子がいたのである。まだ弱冠16歳の高校生だった。他流派から移籍して来たばかりで新極真会のTOP選手との組手はとても辛そうだった。千葉から陽孝と翔希も選ばれた。

あの日から3年が経ち努力と精進が実り、愛弟子は日本代表選手に選ばれた。師弟であり、親子でもある。新極真会に来て師弟で、親子で世界大会の夢を掴んだ。

大阪から帰った日の夜、会話が弾み最後にこんなお願いをされた。

『監督、総裁のCDを頂けないでしょうか。』

3月の強化合宿で流した大山総裁のCD。天の声。自分の想いが響いた。自分の合宿に懸けた熱い想いを受け止めてくれた男がいた。

「合宿から帰った夜、興奮してCDの話をするんですよ。」

“心魂の空手!が響いたらしい。

CDには原版レコードのジャケットの大山総裁の写真を付けた。他にも第4回世界大会のDVDや第9回世界大会の時の特集記事を同封した。彼にとっては原点になるであろうU-22強化合宿の写真や自分の宝である白石先輩との死闘の写真も入れた。これでもかこれでもかと言うくらいに!極めつけは20歳茶帯時代のあの拡大写真まで・・・“勝負だ~!”って。封筒開けてひっくり返るくらいまとめて贈った(笑)。

今日金曜日は休館日だったが、予感がしたので1階の灯りをつけていたら、案の定あの九州のカブト虫が飛んで来た。CDが届きましたとの御礼にはるばるやって来た。第一声はもう言葉になっていなかった。感動しまくりだった。特にあの拡大写真が効いたらしい(笑)。

「何歳の時の写真ですか?」

「息子と同じ20歳だよ。入門して1年半くらいかなあ!」

“ひいぇっ~!”電話の向こうでひっくり返る音がした。

暫く自分の現役時代の話が続いた。他流派から来たので何もかもが新鮮なんだろう。自分の言葉全てに感動していた。総裁の座右銘も白石先輩も知らなかった。新極真会の道場生にとって当たり前の事が当たり前でない人もいる。恵まれた環境にいるのに活かせないでいる。いや活かそうとしないでいる。まさにCDの大山総裁のあの言葉である。

『喉の乾いた牛を小川へ連れて行くのは人間の役目、しかし、水を飲むか飲まないかは牛自身の問題である。空手を教えるのは私の役目、強くなるかどうかは君達自身の問題だよ。極真空手をしたからと言って強くなるとは限らない。あとは本人の努力だよ!』

たった4年で世界大会日本代表選手を二人も出した。凄い男である。緑代表や塚本が可愛がるのがよく分かる。

指導に情熱を持っている。求道心が凄い。熱い男である。さっそく座右銘をメールしてやった。

3年前のU-22強化合宿のFファイルを出して名簿を見てびっくりした。何人も今回日本代表になっていた。いや!そのための合宿だったのである。アルバムを見て、正直もっと驚いたことがあった。一枚の写真のコメントに身震いした。

“必ず世界へ連れて行く!”