使命!未来のために

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弟啓治(師範)から速達郵便が届いた。開けると8枚の色紙が入っていた。啓治が龍と同じ位大好きな御数珠の色紙だった。2週間前に帰郷した時の施設の部屋を思い出さずにはいられなかった。いよいよ3週間後に迫った世界大会。来日する世界の友人の師範方の為に心魂込めて描いたものである。ブルガリアのポポフ師範始めひとりひとりに手紙まで添えられていた。啓治らしいと思った。
武士道
この道より 我を生かす道なし この道を歩く
龍 翔 鳳 舞 心魂
使命 未来の為に!心魂 …
世界大会2019年11月9日(土)
新極真会水滸伝 龍 翔 鳳 舞
自分宛の手紙にはこう書かれてあった。多分全員同じであろうが。
『押忍 新極真会の為に頑張ります。ありがとうございました。神謝 奥 村 啓 治』


本当は世界大会に来たいだろうに。緑代表と一緒に世界中を指導に周り築いた世界の友情の輪。啓治は何処に行っても人気者だった。一度行くと必ずリクエストが来た。世界中にBrother(兄弟分)がいる。本当は仲間達に会いたいだろうに。来たくてもひとりでは来ることが出来ない不自由な身体。それだけに啓治の思いがひしひしと伝わる色紙と手紙であった。尚更心で泣けた。

今、ラグビーワールドカップで開催国日本チームの快進劇に日本中が湧いている。しかし、これは奇跡でも偶然でもない。長年に渡る育成強化に向けた組織の努力の賜物である。恥ずかしながら自分もテレビドラマ「スクール・ウォーズ!」にハマった口である。主人公の山下真司さん演じる先生を始め、選手達が実在の有名ラガーマンだと聞いてなお夢中になったものである。

その中心人物のひとりである平尾誠司さんは“ラグビーの申し子”とまで言われた。高校、大学、社会人、日本代表チームで常にトップ選手として活躍した。若くして日本代表チームの監督にも就任した。しかし、残念ながら平尾ジャパンは当時結果を出せずに解任されてしまった。勿論平尾さんの力だけではないが、こうした長年の組織の取り組みと選手達の努力が実を結び、今回大きな花が開いたのだと思う。今回の日本開催のワールドカップ。一番楽しみにしていたのは平尾さんだったに違いない。ましてや日本チームの快進撃を!平尾さんは悲しいかな!数年前道半ばにしてこの世を去った。

ラグビーワールドカップが終わるとバトンタッチするかのように第12回世界大会が始まる。我が新極真会もこの日のために様々な選手強化をして来た。その最たるものが15年前に創ったユースジャパンである。ひと言では語り尽くせないユースジャパンと日本選手団の歴史。携わったひとりとして、だからこそ自分には分かるのである。ラグビー日本チームの快進撃が奇跡でも偶然でもないことを。

先日、世界大会の取材でスポーツニッポン新聞社の方が道場を訪れた。平尾さんやラグビーの話もしながらユースジャパンの発展、そして世界大会への意気込みを語った。その時に記者の方から聞いた事実にしばし言葉を失いかけるほど驚いた。アジアで初の開催。日本チームは予選トーナメントを全勝で初のBEST8入りを果たし決勝トーナメントに進んだ。その決勝トーナメントの初戦となる南アフリカとの戦いが今月20日に行われる。な、な、何と!その10月20日は故平尾誠司さんの命日だと聞いて驚いたのである。これはまさに偶然である。選手達も当然知っていよう。士気が高まるのは必至、日本チームの必勝を願うばかりである。同じ日、我が新極真会も群馬で熱い戦いが繰り広げられる。

組織名を新極真会に刷新して以来ずっと応援してくれていた友がいた。友は日本代表選手団のユニフォームまで作ってくれた。ユースジャパンやU-22を創った時も友は喜んで選手強化に協力してくれた。今ではU-15もU-19もある。U-制度はまさしくサッカー界の制度を参考にして創った。友には感謝の言葉しかない。

自分が病に倒れてもいまだに組織のことを思い続け、日本選手団のことを心から応援してくれる実弟がいる。啓治の存在は自分の中で計り知れないものがある。

ラグビー日本チームの快進撃。もう一つの最大の要因!それは・・・開催国という地の利である。ズバリ!日本中からの応援の力である。ラグビーファン成らずとも桜のジャージを身にまとい開催国の威信と日の丸を背負って死闘を演じる選手達に国をあげて応援しているのである。選手は勿論のこと大会に携わる人には必ず応援してくれる人がいる。その全てが一丸となって日本選手団の力となる。

啓治が最近好んで使う言葉がある。

未来の為に!

まさしくユースジャパンは未来の為に創られた。伝統継承も未来の為にである。青少年育成こそ未来の為に組織が最大限の力を注ぐ最たるものである。それが組織の使命でもあり、それに携われる使命を与えられた支部長という職に啓治は感謝しているのではなかろうか。今日の啓治の色紙の言葉と手紙を読んでそう感じずにはいられなかった。自分とて同じ気持ちである。

いよいよ決戦の日まであと22日となった。
必ずや男女W優勝を成し遂げる。

“啓治、今日は本当にありがとう!” 感謝!感謝!!神謝!!!