天使来たる!

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 手作りの布マスクで少し隠れているが、こういうのを満面の笑みと言うのだろう。真新しい帯を手にする姉と弟。全国一斉休館や県知事の不要不急の外出禁止要請が出て2回も昇級審査会が流れた。緊急事態宣言の発令前日、3度目の正直で何とか審査会を行うことが出来た。平日の通常の稽古内で行った。まさしく緊急事態だった。20年前を思い出した。常設道場もなく、黒帯もなく、自分が号令を掛けながら審査をしたものである。

5年生になる里桜にとってはただの審査会ではなかった。5年生で緑帯になってユースジャパン強化合宿に行くことが出来る昇級だった。弟の来輝も、2年生になって昇級して、選手クラスの「桃太郎クラス」に近づく大事な大事な昇級だった。

 道場の近くまで来たからと近況報告がてら陣中見舞いよろしく来てくれた。可愛い孫の来訪に1カ月暗かった道場に灯りが点いた。いきなり帯を見せて渡したら、ふたりとも初めての昇級ではないのに喜びようが違った。この1か月間学校にも行けず、稽古がしたくてしたくてうずうずして・・・そういう思いもあったのだろう。今思えば別の意味で忘れられない審査会となった。

空手の稽古を毎日やっている時には気付かなかった事に、気付くこともあろう。

空手がどれだけ好きだったか!

空手がどれだけ普段の生活に溶け込んでいるか!

 人によっては、自分の立ち位置でさえ気付く人もいるかもしれない。

 まだ終わってもいないし、まだ始まってもいないが・・・

あまりにも失うものが大きかった。でも得たものも同じくらい大きかった。

 そう言えば昨年の9月台風の時。北海道から帰り、変わり果てた道場と自宅の姿に肩を落とし、停電だったので車の中で一夜を過ごした時の事を思い出した。あの時も心配して来てくれたのが里桜と来輝だった。懐かしい思い出である。

きっと神の御告げで、か弱い師範が孤独死していないか様子を見に来てくれているのかもしれないなあ(秘)。心配掛けないように一日も早い稽古再開を願うばかりである。