縁ありて花を結ぶ

98116749_3065417863517793_2036674015749210112_n

写真を見た時、ウォー!っと思わずうなってしまった。椅子からひっくり返って落ちそうになった(笑)。

休館中、青山先生は何度も道場に足を運んでくれた。今では事務所に入ると黙ってても座る場所まで決まってきた。昨年11月の第12回世界大会に青山先生を招待した。大会後のさよならパーティーにも出席してくれた。先生は大会の翌週、市議会の視察で金沢に行ったそうである。驚いたのは!その時、何処か場所は忘れたが、公園かな?外国人観光客と撮った写真に一緒に写ってる人物を見て・・・世の中の狭いなあと思った。偶然にびっくりした、縁の深さに驚かずにはいられなかった。

「奥村先生は有名なんですねー。」

金沢で会った海外の新極真会の人は先生のことを知っていましたよ。

最初にその話を聞いた時は、世界大会の直後でもあるし日本選手団が優勝したし、普通の一般サポーターじゃなければ、一応日本選手団の監督してるし支部長や選手なら誰でも自分の名前くらいは知っていますよ。と答えた。先生が注文したアクアサニターとマスクが納品となり、その時の写真を持って来てくれた。

先生とは、駐車場に後援会の看板を立てさせてやっている関係から年末年始など年に数度の挨拶程度で、これまで深い付き合いはなかった。

「先生、もしよかったら世界大会観に来ませんか?」

世界大会がきっかけで道場に顔を出す機会も増え、知らず知らずのうちに長話をするようになった。年末か今年になってからか覚えてないが、世界大会の後に金沢へ視察に行ったという話を聞いていた。昨年9月、大型台風の直撃により千葉県は甚大な被害を受けた。それも2回も。川の氾濫、家屋の崩壊、市内の電柱もあの大型鉄塔さえ何本も倒れ、停電は県内全域に及んだ。そこで千葉市では、電線を地中に掘って停電被害のないモデルタウンとして有名な雪国の石川県金沢市に視察団を派遣したという次第である。

公園かどこかで新極真会のロゴ入りのユニフォームとTシャツを着た外国人観光客を見かけた。世界大会直後でもあり親近感を覚え、先生はためらわず話しかけた。いざとなったら決闘も辞さない覚悟だったそうである(笑)。

「自分は千葉から来ました。世界大会も観に行きました。新極真会の奥村師範をよく知っています。」

流暢な英語?で先生は語ったらしい。

「Oh!Okumura。Okumura。I Know. I Know.」

奥村!と千葉!だけは分かったらしい。世界のOKUMURAで繋がった(笑)。もう遠慮はいらない。お願いして一緒に写真を撮って貰ったとのことである。

「奥村先生は本当に凄いんですね。びっくりしましたよ。」

首と片手を振り、舌打ちしながらこう言った。

「先生、こんなもんじゃありませんよ。中国へ行ったらこんなもんじゃないですよ。“奥村!”って言ったら何処へ行っても大丈夫ですから。ニイハオ!奥村道場、謝謝!で通用しますから。」

「・・・?」

「先生、昔なぜ中国からパンダが日本に贈られたか知っていますか?しかも2頭も。」

「知りません。」

「弟の啓治が中国に新極真空手を広めた御礼なんですよ。双子の奥村兄弟が中国行ったから、リンリンとランランの二頭が御礼で贈られたんですよ。自分ら兄弟とパンダは日中友好の証なんですよ。」

「・・・?今度、私も中国遠征連れて行って下さい。」

「今度、紹興酒飲みながら打ち合わせしましょう。」

正直言うとコロナの暗い話は必ずする。でも最近はいつも大笑いして暗さを吹き飛ばす。お互いを知れな知るほど・・・特に先生が突然入門すると言い出して、3月に正式に入門してからは距離が益々近くなった。自分が40歳で道場を開いた事。以前は公務員だった事。辞めるいきさつも全て話した。双子であること。弟は町会議員を辞めて単身中国に渡ったこと。今は右半身不随で施設に入っていることなどを。先生のこともたくさん聞いた。

田舎の実家でひとり暮らしの母が倒れ、今は施設に入っている。もしかしたら自分が千葉で引き取らねばならない。先生は親身になってに相談に乗ってくれた。今回のコロナも同様にたくさんおアドバイスをしてもらった。先生がコロナ問題で駆け回る姿に感動を覚えた。報道される有名国会議員やタレントとは違う、市民のために日夜奮闘する真の戦闘士の姿を見た。町会議員だった弟啓治の姿とだぶった。

20年前に常設道場を構えた時、最初に訪れた外国人道場生がスペイン支部一行のヘスス・タラン師範、ペドロ・ソリアーノ師範、レオ・アドリア師範の3人だった。当時の総本部事務局長伊師師範の計らいだった。道場で一緒に汗を流し、朝まで自宅で美味しいお酒を飲み交わした。まだ三番目の我が家の姫は生まれてもなかった。それ以来の深い長い付き合いである。ペドロとレオは自分のことを“brother! brother!”と呼ぶ。日本で言うところの兄弟分である。自分の方が少し年上である。だから兄貴!と読んでいるのかもしれない。しかし、五段になったのはふたりの方が早い。ペドロは昨年六段になった。自分達には年齢も段位も国籍でさえも関係ない。もし、誰かに世界の新極真会の仲間で特に仲のいい人は誰ですか?と訊ねられたら・・間違いなくふたりは五本の指に入る。ペドロとレオはそれ位に親しい間柄である。数少ないが、国際大会の度に友情を育んで来た。プレゼントの交換をしたり。2年前、レオの弟子のモデルでタレントでもあるロザーナからメールが届いた。Shihanレオを驚かすからと、誕生日のサプライズメッセーッジ(動画)を頼まれたこともあった。実は、海外では啓治の方が有名で数多くのエピソードがある。もちろんスペインでも。スペインで啓治は忍者と思われている。

昨年の世界大会さよならパーティーでも、世界空手セミナーの打ち上げでもスペイン支部の仲間と大いに飲んで友情を深めた。ざさしく彼らは生涯の友である。

青山先生から半年前の金沢の写真を見せられてひっくり返りそうになった。思わずうなってしまった。先生と一緒に写っていた新極真会の海外道場生とは・・・

大親友のスペイン支部長のレオ(師範)とその愛弟子のロザーナだったのである。大会直後とは言え世の中狭いなあと思った。それも会った場所が東京ではなく、地方の金沢だから。偶然が偶然を呼び、奇跡を生んだ。

 縁が縁を呼び、新しい絆を生んだ!

驚いたのは自分だけではない。青山先生もあまりにも奇跡に近い偶然に絶句していた。

「先生、次の市議会の視察はスペインで決まりですね。」

コロナ騒動が落ち着いたら先生と二人だけで赤ちょうちんか焼き鳥屋でゆっくり飲み交わしたいと思っている。今はお互いを先生!先生!と呼んでいるが、酔っぱらったらネクタイ外して “青ちゃん!青ちゃん!” “奥ちゃん!奥ちゃん!”と言って肩を組みながら飲むんだろうなあと思う。今から楽しみである。

2月から大変な事態となった。まさに国難。いまだ稽古は再開出来ない。失うものも多かった。しかし、得たものも同じくらい大きかった。見つめ直す機会にもなった。もちろん前を見つめながら。別れの方が多くなるこの年になって、まさか新しい出会いがあろうとは。それも大きな縁に繋がっていようとは。また人生の良さを知った。広さ、大きさを知った。

さっそくスペインのレオとロザーナにメッセージを送ろうと思う。

『Do you remember the person you met in Kanazawa in November last year? The name is Aoyama. He is my dear friend and now my dojostudent.
He is a member of the city council in Chiba.
I am glad that the circle of friendship has spread to the world through Shinkyokushin karate.
We look forward to seeing you next year at the WFKO World Championship.
Please love yourself.Osu!』

道場生達には大変申し訳けないが、ふたりっきりの特別稽古を最近するようになった(秘)。自粛中の今だから時間があるからと、ふたり稽古を頼まれて始めた。今週金曜日にも、もう3回目となる。三密は全く関係ない。

「青ちゃん、実は道場生の中に加賀百五十二万石の前田家の末裔のお姫様がいるんだよ!」

稽古再開したら楽しみにしておいてね。

お姫様だから瑠偉か里桜と間違えるかな・・・きっと(笑)!!