富士からの便り!

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ブログには到底書けないが、昼間大失態をやらかして落ち込んでいたら(内緒)、夕方嬉しい便りが届いた。B4サイズの大きな封筒の中には手紙と一緒に3枚の写真が入っていた。差出人は、組織が強化合宿で毎度お世話になっている山梨県の「富士緑の休暇村」の羽田さんからだった。

富士から便りが届いた!

1枚は富士山と心マークの切り絵の貼られた書、もう2枚は富士緑の休暇村からそびえる雄大な富士山の写真だった。

世界を襲ったコロナ禍。いまだ終息の気配もなく感染拡大が続いている。オリンピックが1年延期となるなど、その影響は世界中至る所ではかり知れない。3月のWFKO世界大会の日本代表強化合宿と11月のユースジャパン強化合宿が中止となった。合宿中止は、15年のユースジャパンの歴史で初めての事だった。15回のユース合宿の内、第四期以降の12回は富士緑の休暇村で開催している。今では日本代表強化合宿も、U-22強化合宿も、世界大会後の世界空手セミナーも休暇村で開催している。多い年には、年に3回行う時もある。赤鬼さんはいつも201号室。自分の場合、打ち合わせも入れたら30回以上は間違いなく行っている。目を瞑っても館内を歩けると思うくらい行っている。忘れられない思い出はたくさんある。有り過ぎる位だ!その全てを現地宿舎の担当者としてお世話してくれたのが羽田さんだった。総本部事務局ではずっと榎本君(現次長)が担当している。

9年前の東日本大震災。発生時は第10回世界大会の日本代表選手団強化合宿の初日だった。富士緑の休暇村は日本選手団にとって、ユースジャパンにとってまさしく縁(えにし)深い聖地なのである。

緊急事態宣言で道場休館中に自分を救ってくれた大山総裁の言葉(教え)。

希望の朝を迎えよ! そして、感謝の夕を迎えよ!

大山総裁の著書でも有名な「昭和五輪書」の第一巻「地の巻!」に出てくる言葉である。古い師範方でもほとんど知らない。空手人生で最大の試練の時に、大山総裁のこの言葉が心に沁み自分を救ってくれた。この言葉に触れた時、合宿地の富士から昇る朝陽が自然と思い出された。それは自分にとって新極真会(心マーク)だったのである。ユースジャパン第一期の合宿を終えた時の総評で三好副代表がこう言われた。

“朝陽が昇るようだった!”

初めてした事だった・・・書に切り絵を貼った。これが貼り絵師奥村の始まりだった(笑)。大山総裁の言葉を書にしたため、思い浮かんだ富士山と心マークを貼った。気になって気になってしようがなかった休暇村の状況。羽田さんに手紙とこの「書」を送った。それに対するお礼の手紙と写真だったのである。2月後半以降は全ての団体客がキャンセルになるなどの厳しい窮状が書かれてあった。数年前に富士山は世界遺産に登録された。休暇村のある鳴沢村はその富士登山道の入り口でもある。ユース合宿は大体500名規模、宿舎自体は700名収容可能。今年は山開きもない。そういう観光名所に団体客がない。想像を絶する。そして、自分が勝手に送ったにもかかわらず書に対する身に余る感謝の言葉が綴られていた。パソコンではなく自筆の手紙が涙を誘う。

『・・・本日は大変素晴らしい書をお送り頂きありがとうございました。スタッフ一同感謝しております。・・・明るい話題が無い昨今におきまして大山総裁のお言葉は私共サービス業に従事する者にとり、大変励みになります。早速ですが、事務所内に掲示させて頂くと共に勝手で恐縮ですが、当館のFacebookに掲載させて頂きました。・・・』

これほどまでに感謝され喜んで頂き自分も嬉しい限りである。大山総裁の言葉(教え)が空手をする人以外にも響いたのである。これこそが空手道の空手道たる所以だと再認識した次第である。そして何より大山総裁に感謝の念を抱かずにはいられなかった。書の道に導いてくれた我が家の姫君達にも感謝である。

合宿打合せの時は河口湖駅まで羽田さんが迎えに来てくれる。必ず両手で握手する。本番の合宿の時も自分とは必ず握手する。帰り際にはいつもこの言葉を掛けてくれる。

「(激務で大変でしょうから)お身体ご自愛ください。」

世界大会には必ず来てくれる。二日目、会場内を駆け回っていると榎本君から無線が入る。羽田さんが来られました。運営本部におられます。運営本部に行くと、休暇村にいる時と同じ制服姿でいる。羽田さんはこのひと言を残してトンボ帰りで山梨県へ帰って行く。

「日本選手団の優勝を信じていますから。」

13年前に初めての合宿打合せで休暇村を訪れた時、榎本君も羽田さんもまだ主任だった。今は事務局の次長と休暇村の課長である。自分だけは何も変わらない。白髪だけが増えた(笑)。JTBさんも含め、この皆さんとは変わらぬ絆を感じる。

選手強化委員で本当に良かった。あの時、緑代表に任命して貰って本当に良かった。

富士は、自分が組織から与えられた使命(天職)を全うする場所でもある。

正直な気持ちを言うと、十数年の付き合いがあると言っても道場生や支部長以外の人に贈るのは図々しいかなと少し思ったが送って本当に良かった。やはりあの御金言は本当だった。

人に物をほどこせば 我が身のたすけとなる、

譬えば 人のために火をともせば 我がまえあきらかなるがごとし