Category Archives: 師範ブログ

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『兎と亀の話』 続編!

足の速い兎と足の遅い亀が山の上まで競争し、足の遅い亀の方が勝ったという話。

兎は山の上のゴール近くで余裕があったので居眠りをした。目が覚めたら亀が先にゴールしていた。兎は、自分の能力を過信していた。かつ、競争相手(の亀)を軽んじていた。大差がついたので居眠りをして、その間に抜かれてしまった。油断したのである。

のろまな亀は、足が速くて先に行く兎には目もくれなかった。差を付けられてもマイペースだった。いや、どんなに頑張っても足の速い兎よりも早く走ることは出来ない。亀は走るどころか、ゆっくり歩くことしか出来ない。

勝った亀と兎の違いは何処にあったのか?勝敗の分かれ目は何だったのか?

負けた兎は、自分よりも遅い亀だけを見ていた。自分の方が能力で遥かに勝っているので油断してしまった。一番大事なゴールを見ていなかった。

能力に劣る相手だけを見て、自分の能力を過信して目標を見失っていた。己に負けたのである。

勝った亀は、ただひたすらゴールだけを見ていた。自分より足の速い兎が相手ではなく自分自身が相手だった。歩くのは遅いけれど全力を出し切った。自分と戦って自分に勝った。己に克ったのである。一番大事な目標を忘れなかったのである。

物事に挑戦する時、目標を掲げ、その目標に向かって自分は何をすべきか?である。

相手は確かにいる。しかし、自分自身に勝てずして相手に勝てる訳がない。「空手バカ一代」の主題歌の歌詞の一節にもある・・・

♪~敵に勝つより 己に勝って~花咲く蹴りが空手道♫

大山総裁がお教えではないか。克己の精神を涵養すること!

実は、この兎と亀の話には続きがある(笑)。

この話は小さな小さな村の話に過ぎない。隣の村にはもっと足の速い兎がいる。もっと努力する亀もいる。もっと遠くの大きな村には、もっともっと足の速い兎も、もっともっと努力する亀もいるのである。大きな村の兎や亀達は大きなもっと高い山を目指して競争している。

はっきり言おう。富士山の頂上を目指して競争している兎や亀がいるのである。

小さな村での競争を馬鹿にしているつもりはない。それを富士山の頂上を目指す戦いにどう繋げるかである。誰と競争しているのか?何処で競争しているのか?それは大した問題ではない。

目標さえ定まっていれば全く関係ない。兎と亀の視点の違い!それが差だった。そして、心の置き所が大事である。技で言えば、重心!軸足!これが根幹を成す。しかし、その技を操る心が何処にあるか?これが全てである。目標もそのひとつである。心は目には見えない。いや実は見える。姿になって現れる。道場での姿、稽古姿勢。大会に取り組む姿。懸けるその思いでさえも、姿に現れる。

大山総裁は仰せである。

武の道は姿なり 何事においても常に姿を正しくすべし

話の続きである。

あの小さな村の兎と亀の競争の話。勝った方の兎さんはね、実は兎ではなく、(正体は)亀さんだったんですよ。村の人も兎さん本人も気づいていなかったのですが。亀同士の競争だと、ただひとり気が付いていたのは、小さい頃から兎も亀も知っている村の村長さんだけでした(笑)。亀同士の戦いだと最初から本質を見抜いていたのは老いぼれ村長さんだけでした(内緒)。

10月大阪の戦いは厳しい戦いだった。

3年前の世界大会準優勝者がBEST8にも残れなかった。アスタナの世界チャンピオン達も次々と負けた。女子は無差別の王座を初めて奪われた。大阪決戦、男女141試合全てを見た。弟子も、支部も、流派も関係なく、赤と白の選手二人の試合として見た。全ての試合を見ながら、ある光景だけが脳裏に浮かんでいた。それは、丁度1年後の世界の舞台に立つ兎や亀の姿だった。誰が世界の舞台で戦えるか?それだけしかなかった。

同じ戦い。見る人の心次第で見え方が違う。あの兎と亀の場合は、視点の差だった。そして、その見る者の心次第とは、それは見る人の立場の違いで大きく変わる。

大会が終わっても翔太は相変わらず稽古に励んでいる。あらためて思った。

“やっぱり道場で一番喧嘩が強いのは翔太だな!”

大会ポスターの最後の1枚を迷わず翔太にあげた。どうしても師範のサインが欲しいと言うので、サインは大嫌いだけど仕方なくサインした(笑)。

世界の道は茨の道 世界の道は試練の道 前へ進め!

老いぼれ村長に出来る事は何か!

村の亀さん達に大きな山の話をすることかな?頑張ったら大きな山に連れて行ってやることかな?必死で付いて来るものには富士山にも連れて行ってやること位かな?しかし、遥か能力に勝る競争相手の兎に勝つかは?・・・山の頂上まで登りきれるかは本人次第である。

世界には富士山よりも高い山は幾らでもある(笑)。

加曾利村 村長 ・・・・ 

 

 

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北の武人!

第12回世界大会日本代表選手の第一次選抜戦を兼ねた第50回全日本大会が終わった。

予想以上に厳しい戦いだった。前回の世界大会準優勝者がBEST8にも残れなかった。男子4強の牙城が崩れた。女子においては大会史上初めて他流派の選手にチャンピオンの座を奪われた。

世界大会は選手達にとっては夢の舞台であろう。しかし、出場したら分かる。夢だとか甘い言葉で済むようなものでは決してない。勝ってこその夢の舞台であるから!

31年前の第4回世界大会に運よく出場することが出来た。青春の全てを懸けたからこそ、全日本大会入賞と世界大会出場を果たすことが出来た。日の丸を背負いし者の戦い、想像以上のものだった。負けた時、夢だの何だの!そんな甘いものなどではなかった。ひしひしと感じた。出るだけなら簡単?である。

ただ負けはしたが、あの世界大会があってこその今の自分である。それは紛れもない事実である。

悲しいかな大山総裁が亡くなり、組織は大分裂して幾つもの極真派閥ができてしまった。第4回世界大会で一緒に戦った15人の戦士達は組織の分裂と共にバラバラとなってしまった。31年が経って、同じ組織にいるのは4人だけである。4人の絆は変わらない。

そのひとりが外舘慎一師範である。六段。JKO理事。WKO技術委員。

いつのことだかは忘れたが、外舘師範に「木元師範も参加してるので、一度ユース合宿に来ませんか。世界を目指す後輩達を見に来て下さい。」と誘ったことがあった。そして、2016年の史上最多の参加人数となったユース合宿にオブザーバーとして初めて参加してくれた。合宿が終わって数日後、御礼のメールが届いた。

『奥村師範の450名の明日の全日本、全世界チャンピオンを引っ張る姿と監督をサポートし全力で指導するコーチ陣の姿、必死について来るユースジャパンのメンバーの姿に大感動しました。そして厳しい中に優しさ温かさを感じました。

 緑代表、三好総監督と奥村監督が12年掛けて築き上げて来た物ですね。私の出来る事でしたら何でもしますのでいつでも声を掛けて下さい。

 奥村師範の言葉を励みに選手を鍛えていきます。お疲れ様でした。押忍』

感激した。感性が自分と全く同じだと思った。初めての合宿参加で全てを見通し、日本選手団の強さ、ユースジャパンの真髄を理解してくれた。やはり同じ世界の舞台で戦った盟友ならではの有り難い言葉だった。WKO技術委員として一番海外遠征が多い外舘師範ならではの組織思いの言葉だと思った。それ以来、ユース合宿以外の強化合宿も参加してくれるようになった。勿論、来年の日本代表強化合宿も参加してくれることになっている。

「奥村師範、是非北海道(大会)に来て下さい。」

昨年は中国遠征と重なってしまった。今年は満を持して北海道に行って来る。

今年3月、U-22強化合宿の時のことである。同期の桜4人が揃ったので合宿解散式の後、“4人で写真撮りませんか!”と自分が緑代表に進言した。

“いいですねえ!”

そして、カメラマンの事務局林田広報課長に緑代表がこう言った。少し厳しい顔で(笑)。

『レジェンドだからな。う~んっ!!』

レジェンド!・・・伝説である!!合わせて二十五段!まさしく伝説の師範方だと思った。大山総裁が日本の王座に危機感を覚え、日本選手団全員集めて強化合宿を初めて行ったのが第4回大会だった。この時に初めて日本選手団に監督とコーチができたのである。

かくして、4人揃っての道着姿の写真が誕生した。

 変わらぬ絆に感謝!感謝!!

現役時代は「北の武人」と称され大活躍した外舘師範が主催する北海道大会に行って来ます。

 

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いざ出陣!

10月25日、三好副代表が郷里愛媛で演武をする。愛する国のために命を懸けて戦場へ赴いた 神風特攻隊の英霊達のために「鎮魂の演武」をされる。演武前にその特攻隊を率いた郷里の大先輩の遺影の前で合掌する三好副代表の姿を見た時、涙が溢れてしようがなかった。

ALL JAPANの赤いジャンパー!世界大会日本代表選手団のユニフォーム姿だった。勿論、ジャンパーの下は日本代表選手団の証である日の丸ワッペンを付けた道着である。特攻隊の戦闘服と同じく、日本代表の日の丸ワッペンも右肩にある。こういうことも偶然かもしれないが、日の丸を背負って世界の舞台で戦う日本選手団と国のため命を懸けて戦場へ赴いた神風特高隊の隊員達と何故か重なるのである。

実は、特攻隊の日の丸と日本代表の日の丸ワッペンが同じ右肩にある事はここ最近知った。数年前に流行った百田尚樹原作の「永遠のゼロ!」の本を塚本支部長に合宿か、遠征の時か?プレゼントされた。

『監督、これ是非読んで下さい。』

その時に塚本支部長から、日の丸が偶然にも同じ右肩に付けてあることを教えられた。映画の方は、中国上海遠征の時に機内で見る機会を得た。

丁度1年後、来年11月に第12回世界大会が東京で開催される。日本選手団を十数年一緒に率いてきた日本代表選手団の総監督である三好副代表のユニフォーム姿に、三好副代表の懸ける思いが分かるだけに自然と涙が出てくる。

同じ思いで遠く千葉の地から、英霊に捧げる鎮魂の演武が無事成功裏に終わることを祈るばかりである。

出発前日の日の三好副代表のブログである。

『仲間と高知を出発する前、大役を無事に終えれるよう、高知本部で大山倍達総裁にご挨拶し一度観ていただきました!!』

出発直前に、大山総裁の前で「征遠鎮の型」の最後の練習をした時のことを綴ったものである。三好副代表の師を思う心、大山総裁の直弟子としてのこういう姿勢に尊敬の念をいつも感じている。

道場正面中央の大山総裁の写真の横には二人揃って組織から頂いた『新極真賞!』の盾が飾られている。そして、その盾の上には自分が贈ったユースジャパンのテーマ“伝統継承!”の書が飾られている。この写真を見たら、もう言葉はいらない!

三好副代表の今日の姿にあらためて決意をした次第である。

第12回世界大会、命を懸けて日本の王座を守る。命を懸けて男女W優勝を成し遂げる。

戦いは既に始まっている。

いざ出陣!!

「三好副代表が赤いユニフォーム姿で合掌している写真見たら涙が出てきました。同じ思いで無事成功を祈ってます。押忍」

『俺たちが人生かけたユニホームだからね♫』

「押忍(涙)!」