Category Archives: 師範ブログ

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思い出の九十九里浜!

道場生時代、道場の行事で夏合宿が一番好きだった。入門して結婚するまで一度も夏合宿を欠かした事がない。と言いたい所であるが、一度だけ参加しなかったことがある。ズバリ!入門1年目である。

7月4日に入門して、7月7日に初稽古をした。最初の頃は、研修所を出て署に配属になったばかりで毎日稽古に行った訳ではないので、夏合宿があるなんて全く知らなかった。かくして1年後、夏合宿デビューを果たした(笑)。茶帯になっての参加だった。

同じ九十九里海岸。蓮沼と片貝は目と鼻の先。初めて経験する極真空手の夏合宿。最高だった!今でもはっきりと光景が蘇る。

稽古以上に覚えていることがある。体育館での大宴会!所属する千葉本部は勿論、他支部の黒帯の先輩達と飲むお酒は最高だった。自分は緑帯の時からたったひとり全日本選手の強化稽古会『実戦会』に参加していたので顔は知れ渡っていた。当時、茶帯でただひとりだけ黒帯研究会の参加も許されていたので、先輩方と気心も知れていた。稽古すればするほど境遇が良くなるのを当時から体感していた(笑)。

エピソード其のⅠ

道場では「押忍!押忍!」の世界だったが宴会の席、先輩達が自分のことを『幸一!幸一!』と呼ぶので

『幸一か?お前は幸一か!ウォー幸一!』

師範もそれ以来、幸一と呼ぶようになった。

エピソード其のⅡ

当時は分支部道場ごとのかくし芸大会があった。余興で茶帯の先輩と二人で当時大人気だったピンクレディーの♪渚のシンドバッド♪を振り付けで3番まで唄った。自分が踊り専門だった。大爆笑の渦になった(笑)。今でもはっきり覚えている。師範が真面目な顔でひと言こう言った。

『君達ねえ、馬鹿にしてそうやって笑っているけれどねえ、こういう馬鹿な事をやれと言って本当にやる男が強くなるんだよ。こういう男が世界大会に出るんだよ!』

自分の結婚披露宴で友人代表で挨拶した道場の同期がこのエピソードを語っていた。だから間違いない(笑)。

夏合宿は楽しい思い出だらけである。夜中、合宿所を抜け出して浜辺に行ったり、ラーメン食べに行った。師範に連れられて海の家で二次会。今同じ事を道場生がしたら・・・馬鹿もーん!まあ、そんな馬鹿な事をする大物はいないと思うが。

夏合宿の思い出!やはりこれである。千葉南支部主催で初めて行った夏合宿。記念すべき第1回目の夏合宿に友が来てくれた。当時、友は千葉勝浦にある国際武道大学のサッカー部の監督をしていた。自分が武道大学で講演とセミナーをしたり、勝浦海岸で浜辺の稽古をしたり交流が続いた。林先生の常設道場の祝賀会にもわざわざ来てくれた。

友は今、地上最強の敵と日々闘っている。肉体的にも精神的にも想像を絶する苦境苦闘の毎日であろう。7年前、友は青帯だった。昨年末、塚本支部長から茶帯を許された。元気になったら茶帯を締めて、また千葉南支部の夏合宿に来てくれると約束してくれた。勝浦にもまた一緒に行こうと約束もした。

強気の文面だったが、心情を察すると苦しかった。送られてきた写真を見て涙が出てしようがなかった。友は新年鏡開き稽古会の日に交わした約束を守るため必死に闘っている。

7回目の夏合宿。道場生達も色々な想いを背負って参加するに違いない。自分はその全てを受け止め、無事故で大成功に導かなくてはならない。

道場生達と一緒に友に最高の気合いを届けたい!

“兄弟、いつも祈っているから。いつも一緒だから(涙)!”

伝統継承!

押忍!ありがとうございました。

厳しい戦いだった。

予想以上に厳しかった。7階級制覇を目指したが、優勝はわずか一階級だけだった。世界大会の話ではない。先週の千葉錬成大会の話である。120名の大会で自分の指導している7名の桃太郎達の組手の結果である(笑)。予想は2勝だったが。

ただひとり組手で優勝した元輝に訊ねた。

“龍希に勝って、優勝出来たのは誰のお陰かな?”

『師範のお陰です。お父さんとお母さんのお陰です。』

誰に訊いてもそう答えるに違いない。空手が出来るのはお父さんとお母さんのお陰だから。空手を教えてくれるのは師範だから。答えは間違いではないが、正解ともいえない。元輝と龍希が桃太郎クラスの稽古で組手をしたら、10回の内9回は元輝が負ける。あの決勝戦のように、突っ込んでくる龍希に上段の蹴りが当たった時は勝つ。道場で10回やっても1回しか出来ないことが、本番の大会で出来た。いつもは自分より強い人に勝った。

強い人(選手)とはどういう人ですか?と尋ねられたら、奥村師範ならこう答える。

“強い人に勝つ人が強いです。”

“負けても、その負けで終わらない人が強い人です。”

今回の千葉錬成大会は内部試合に近い大会だった。栃木支部、千葉北支部の出場がなく千葉南支部の交流試合に近かった。だからこそ見えたこともあった。6月のドリームフェスティバル(全国大会)の真逆だった。

ズバリ!内部試合は対戦相手が同じ支部の道場生である。

外に敵がいれば、内部(仲間)は固まる。仲間の応援をし合う。しかし、対戦相手が仲間だと相手の応援はしない。当たり前と言えば当たり前であるが。一緒に稽古をしてきた仲間同士ではないか。同じ師範に教わり、同じ目的で稽古する仲間同士ではないか。

千葉錬成大会、規模とかではなく少し寂しい気がした。何故だろう?十数年日本選手団を率いて世界の舞台で選手達と共に戦ってきた。厳しい戦いの連続の中で、大会会場でほんのひと時だけほっと一息つける瞬間がある。

日本選手団同士の戦いの時だけ、小休止となる。心は休まらないが、ほんの一瞬だけ声も張り上げないでただ椅子に座っている(笑)。

世界大会の日本選手団の仲間・・・・

 “昨日の敵は、今日の友!!”の心境である。

千葉錬成大会を見て感じたこと、ドリームであんなに団結して仲間を応援し合ったのに・・・

 “昨日の友は、今日の敵!”だった。

『元輝が優勝出来たのは龍希のお陰だよ!』

元輝だけではない。秀成がドリームで新人戦3位になれたのは龍希のお陰である。元輝のお陰である。年下だが秀成より強い仲間がいたから、秀成も強くなった。貴義と凌大、二人の関係も全く同じである。里桜も。いや桃太郎クラス全員、仲間のお陰で強くなった。この事を決して忘れてはいけない。

自分の愛弟子同士が戦ったら、稽古頑張った方が勝てばいい。敢えて言えば、後輩が勝てばいい!弱い方が勝てばいい!(と思っている)。

伝統継承はユースジャパンだけではない。世界大会で王座を守ることではない。勝ち負けの全くない夏合宿に行ったら意味が分かるだろう。それは大会も同じである。

組手(稽古)が終わったら何て言うか?

 “押忍!ありがとうございました。”

これが全てである。

感謝の心である。

 

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実戦で実践出来てこそ!

つい最近ラジオで聞いた話に感動した。残念ながら空手の話ではない。野球の話である。夏の甲子園で大活躍した高校野球部の監督さんの特集だった。後にプロ野球でも大活躍した愛甲猛を擁し、夏の甲子園で優勝した横浜高校の渡辺監督のインタビューを途中からだったが聞くことが出来た。

超不良だった愛甲選手を立ち直らせ、選手達をまとめあげ日本一に導いた話。自分が一番感銘を受けたことは、優勝した監督現役時代の話ではなく、野球(監督)をやめた後の話だった。

『監督時代は、いつも選手達と一緒にベンチの中にいました。ベンチからしか野球を見ていませんでした。今は外野スタンドから気楽に野球を見ています。外野スタンドからではないと見えない事ってたくさんあることに気が付きました。』

錬成大会が無事に終わった。小さな大会であるが、自分が主催者である。準備も自分でする。大会当日までにも色々な事が起きる。その代わり当日は何もしない。審判もスタッフの仕事もしない。一番前の真ん中の席でどかーんとただ座っているだけである(笑)。だからこそ逆に色々な事が見えてくるのである。

全日本大会やドリームでは審判をするから、審判目線になる。試合の勝ち負けしか見ない。世界大会は選手団の一員だから、まさに横浜高校の渡辺監督のようにベンチ(選手団・セコンド)の中からしか大会を見ていない。勿論、事務局と一緒に合宿準備や遠征準備など裏方も最大限しているという自負はある。

自分が直接教えている桃太郎クラスの選手には全員優勝して欲しかった。そのつもりで指導している。日本一の大会であるドリーム出場を見据えて指導している。でも全員優勝は無理だった。自分は負けたことに対してあまり寂しい思いはしない。誰かさんの言葉を借りてズバリ言えば、

皆、格上の人に負けた!

貴義も凌大も里桜も、他支部の帯の上の強い人に負けた。瑠偉は体重が倍位ある選手に負けた。だから負けたことは、当たり前のことと言えば当たり前のことなのである。しかし、これから先ドリーム(全国大会)で勝てる選手になろうと思ったら、当たり前の事を覆すくらいでないと到底勝てない。たった120名の大会。8人もいない階級の試合で。今日の相手に勝てないで全国大会では通用しない。それは一般部も同じである。全日本選手でさえも同じである。いつも引き合いに出して申し訳ないが、高校生の翔太。大成長した。あの翔太が全日本選手になるまで成長した。稽古日数は一番。しかし、全日本で勝てる選手になろうと思ったら、道場の先輩に勝てないようでは無理な話である。

道場の先輩に勝てずして全日本の舞台では勝てない!

しかし、その道場の先輩達のお陰で強くなれたのも事実である。先輩を越えよ!帯のひとつやふたつ越えよ。自分より大きい人に勝て!

嬉しい事もたくさんあった。大学受験で休会していた日登美ちゃんや高校受験で休会していた歩美ちゃんが復帰し、大会でスタッフをしてくれた。多分二人とも司会は初めてだったに違いないが、選手時代以上に頑張ってくれた。桃太郎達はそんな先輩の姿を気が付いていただろうか?

奥村師範の弟子は桃太郎だけではない。体育館で週1回の船橋道場生、週1回のスポーツクラブのルネサンスの道場生も奥村師範の弟子である。正直、1回戦突破がやっとである。世界大会を目指して空手をやっている訳ではない。でも皆空手が大好きである。船橋道場の哲通は優勝した元輝から先に技有りを獲った。中学生初級の部に出場した佐倉の森大輔君、ワンマッチの決勝戦を(不戦勝で)戦わずして優勝した。どうしても試合がしたいとの本人の要望で上級の部に出場した。前日、シード選手の遥か格上の紫穏でもいいから試合がしたいと言ってきたので特別に許可した。試合は自分の予想通りの一本負け。

今日の千葉錬成大会。全日本選手権を真似して『敢闘賞!』と『技能賞!』を発表します(笑)。

敢闘賞は佐倉の森 大輔君。

技能賞は船橋の劉 哲通君。

特別賞は、功労賞の意味で日登美と歩美かな。

船橋道場生もルネサンス幕張道場生も、全員が大会の帰りにちゃんと挨拶に来た。しかし、自分が週4回教えている桃太郎クラスの選手達は全員挨拶に来なかった。勝っていたらトロフィー持って来たと思う。それが一番寂しかった。受験準備に入った将斗は会場に来なかった。本音を言えば後輩達の応援に来て欲しかった。ドリームで決勝戦まで後輩達に応援して貰ったではないか。気分転換にでも来て欲しかった。千葉で“伝統継承!”して欲しかった(笑)。そういう事を教えてくれる先輩もいなかった(寂)。今日の二人の女子部のように、成長して完全復帰してくることを望むばかりである。

大会だから、出る以上は勝たなけれならない。より上を目指すならば尚更である。しかし、勝つ事だけに拘り過ぎていないだろうか?勝つ事と同じくらいに大切な本義があることを忘れてはならない。大袈裟に言えば、道場の中の挨拶ですら訓練のようなものである。大会会場どころか、学校で、家庭で挨拶が出来なければ道場の挨拶など全く意味がない。

千葉から世界へ翔たけ!!

まだまだ翔たくなど先の先、夢の夢である。自分の指導の未熟さ・甘さを痛感した一日となった。渡辺監督の言葉、ひしひしと感じた一日となった。

道場で学べない事はたくさんある。道場から外にでないと分からない事もある。練習(稽古)と実戦は違う。空手の技だけの話ではない。練習で出来ても本番で出来なくては。

実践出来てこそ!である。

どんなに小さくても本気で戦う大会だからこそ涙が出る。どういう結果であれ、何かを感じ、何かを掴み、次に繋げられる成長の場となるようまた大会を開催したい。

今日は、自分自身が一番勉強させて貰った。

武の道における自己反省は 常に練達への機会なり!